たまには日本人学校の話。

ついつい、目新しいので、はなこの学校(現地校)の話ばかりになりますが。

 

たろうが通っている日本人学校も、とってもいいですよ。

 

結局、現地校に通わせようが、日本人学校に通わせようが、どちらも一長一短なことに間違いはなく。いまこのとき、この子にベストな選択とはいったい何なのか? というのは、よほど明快な教育指針がある駐在家庭でない限り、大なり小なり悩み・迷うものだと思います。

 

それでも、選択肢があるだけマシで、選んでる余地なし!というケースも、駐在の場合は多々あると思います。住んでいるエリアの近くに学校の選択肢がなければ、選びようもないですからね…。

 

 

日本人学校のメリット

大きく分けて2つあると思います。

  • 日本のカルチャー、文脈から大きく外れすぎず過ごせる
  • 学力の維持

 

どこの国・地域に住まうかにもよると思うのですが、それでも、海外に住んでいると、日本のカルチャー・文脈からは離れていきます。はやりの漫画やアニメ、お笑いなどのトレンドもそうですし、立ち居振る舞いも、どことなく変わってきます。それでも、日本人学校にいると、ある程度定期的に新しいお友だちが日本からきたり、誰かが日本のトレンドをキャッチしてシェアしたり、ということもあります。先生も、日式のマナーに沿って指導してくれますし。

日本から来るにしても、日本に帰るにしても、カルチャーギャップという意味では、比較的ソフトランディングだとは思います。(それでもサードカルチャーキッズ問題はあるようですが)

 

お子さんの性格によりますが、どうにも現地校が合わなくて、母子だけ帰国…なんて話も、あります。赴任先に日本人学校がある、というだけで、駐在家庭には大きな心の支えになります。

 

また、学力の維持。これは、概ねどこの日本人学校も、かなり力を入れているのではと思います。シンガポールやタイなど、大規模日本人学校の学力は凄いと聞いたことが。たろうが通う日本人学校は、人数は少ないのですが、その分、指導も丁寧だなと感じています(先生によって力量に差があることは否定しませんが)。また、そもそも授業時間数も日本より多いですから、基本はしっかり身につくなあとは感じています。

英語はどうなの?

日本人学校の英語(or他の言語)教育は、その学校により様々です。

たろうの学校の場合は、小学校2年生までは、週に2-3回程度のネイティブの先生によるEALと、週1回のイングリッシュクラブ。クラブは、funベースで遊んでるだけ、って感じですけど、エントリーレベルの子どもには、英語の接触機会を増やすことが大事なので、意味のあるクラブだと思います。

EALは、リーディング、ライティング、コミュニケーションをバランスよく行っている印象です。スクラブルなどのゲームも取り入れ、楽しく、しっかり。

学期末には、EALの通知表もいただけ、9段階で英語の習熟度を評価してもらえます。

 

小学校3年生からは、英語学習のトーンがグッとシリアスかつ、集中的に行われます。授業の内容は決して易しくなく、小学校3年生で完了形など習うようで、大変なようです。その代わり、どこに行っても恥ずかしくない基礎はできるだろうなって素直に思います。ペラペラになるには別の努力が必要ですが、(第二言語話者は)基礎なくしてペラペラなし。と私は思います。

 

日本人学校にいると、どうしても英語ペラペラになるには英語の接触時間が足りませんから(それでも、日本の学校にいるより、総じてアウトプットも上手くなります。とくに小学校中学年以上は上手い子が多い)、「英語の理屈」を骨身に叩き込むのは理にかなっていると思います。土台があるかないかって、将来的な伸びしろに大きく影響すると思う。

課外活動は?

遠足、社会科見学など、日本の学校行事と同じようなイベントももちろんあります。

動物園や水族館、ビクトリア州内の名所にも出かけますので、とってもいい経験になると思います。

 

また、学校で野菜を育てる授業の一環で、近所の園芸店に年に2回ほど、授業中に子どもと先生で買い物に行くのですが。お店の人と英語でやりとりもしているようです。

 

ここ2年ほど、コロナの規制の影響で、学校の内側に閉じこもることがどうしても多かったかなあというのは、素直な印象です。ただ、一歩外に出れば、多国籍・多文化の社会なので、そこにチャレンジしていくような取り組みが、今後はもっとあるといいなあと思います。

これからの日本人学校に期待すること

日本人学校のいいところばかり書きましたが、もちろん、もうちょっとこうなるといいのに、という面はあります。

 

基本的に赴任教員は、選抜試験を受けて合格した人が来ますから、志もあり、優秀な方が多いです。ただ、保護者の立場からすると、その力量や態度には、多かれ少なかれ差があると感じるのは正直なところです。良いほうも悪いほうにも差がある。

 

日本のカルチャーから離れすぎないのはいいのですが、

「海外でそこまで杓子定規にやります??」

「その感覚、古くない?」

…と思うことも、あります。

 

派遣教員は、在外邦人に日本の教育を教授するために来ています。ただ、教員自身にとっても、「海外に住み、その文化に浸る」、っていうのはとても大きな人生経験だと思うんですね。私もまさしくそうだったのですが、価値観が変わるかもしれない経験です。つまり、いままでの「常識」を疑い、海外のよいところ・日本の良いところを発見するよいチャンス。

ぜひ、日本の常識や慣習を当たり前で不変のものと思わず、子どもたちとともに「より良い、かつ日本人らしい学校」を作っていってほしいと思います。

 

また、日本人同士、日本語で話してかたまってるほうが楽です。だから放課後の近所の公園は、日本人学校の生徒だけで塊になって遊んでいる。そんななので、ローカルの人との接触も少なく。そうなると、学校の認知度も上がりません。たろうの行ってる小規模日本人学校は、存在としては、"陸の孤島"みたいな感じです。

 

このエリアに住むオージーに、「息子は日本人学校に通っている」というと、まず間違いなく、

「〇〇にある、日英バイリンガル学校でしょ?」

と言われます。いや、そっちはオーストラリアの公立小学校で、息子のは違うんです、って毎回訂正しています。それでも、「そんな学校あったっけ?」と言われる始末。

つまり、普通のオージーには存在すら知られていない。

※シドニーなど大都市の大規模学校はそんなことないと思いますが…。

 

もっと外に出たほうがいいよね、とは思います。極端だけど、年に一回くらい、おみこし担いで近所を練り歩いてもいいんじゃないか(笑)。そんなことを思ったりします。