在外邦人と政情不安

在外邦人にとって、最も怖いのは、「帰る場所がなくなる」か、「帰る場所はあるけど、帰れなくなる」なんじゃないかと思う今日この頃。

 

そう、ウクライナ情勢です。

 

果たして日本にいたままなら、これほど痛切にウクライナ情勢を、対岸の火事ではない、とても他人事ではない、と感じることがあっただろうか…とは思います。

 

まずもって、先週、欧州最大の原発で火の手が上がったとニュース速報で見て、

 

「これは…帰る場所がなくなるなんてこともあるかもしれない」

 

と本気で思いました。311の経験者なら、福島第一原発事故を思い起こした人も少なくないと思うんですけど。核爆弾よりも、原子炉炸裂のほうが影響がデカく、長く、そして、本質的には人間は想像を超えたおぞましいことをしてしまう生き物なんだという、構図が見えた瞬間でした。各国の、ぎりぎりの綱引き。We’re walking a tightrope.

 

もし日本に何かあって、帰る場所がなくなったら。あるいは帰国したら誰かの命が危険にさらされるような状態になったら。日本国政府は守ってくれるだろうか(いや、無理だな)。だとすれば、この国は難民として受け入れてくれるのだろうか。…と思って、asaylum seekerの手続きとか調べてしまいました(笑)。

 

外国人である、ってそういうことなんですよね。

 

コロナで2年、国境は閉じられ、パプアニューギニアが噴火すれば、飛行機は遅延し、もちろん戦争が悪化して、戦火が広がれば…。

 

海外で生活するっていうのは、日本にはない空気を吸い、羽を伸ばす瞬間も大いにあるのですが、危機やリスクにはことごとく敏感になります。そうならざるを得ないというか。もちろん、何かあれば会社は支援してくれると思いますが、それが(でき)ないケースも、たまにモヤッと想像します。思考実験。

 

最悪を想定して備えながら、楽観して生きる。そんな2年半です。

 

でも、戦争はきついな~。コロナのほうがよっぽど楽だわ…。

オーストラリアは、ロシアから距離があるせいか、連日ウクライナの報道は出ていますが、まだのんびりしているというか。先日タイで亡くなった伝説的クリケット選手の報道や、QLDとNSWで進行中の大規模洪水(これも大問題になってます)のほうがトップに来たりすることも多いです。