何を学ぶべきか ~チーフサイエンティストのメッセージ
以前のブログで触れていた、「私は何を学ぶべきでしょうか?」というYear10(日本の高1相当)の子どもの質問に対する、チーフサイエンティストの返答です。
Deep L による翻訳。
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親愛なるJulie
11年生と12年生の科目選択に不安があると嘆いていますね。あなただけではありません。これらは重要な決断であり、多くの混乱したアドバイスがあります。
私はこれまで、学術研究者、ビジネスマン、大学の学長、そして現在は政府のアドバイザーを務めています。この経験をもとに、いくつかの温かいアドバイスを・・・。
まず、チャンスを逃さないために、しっかりとした土台を築くことです。つまり、2つの基礎的な科目の専門知識を身につけることです。英語と数学です。英語も数学も、後からではなかなか身につきません。プレップからYear12まで、何度も繰り返し学ぶのがベストです。
電力市場について政府に助言するための報告書を書くにしても、求職活動をするにしても、言語の習得は何をするにしても成功するために欠かせません。友人を獲得し、人々に影響を与える能力は、あなたの言語能力によってのみ発揮されます。そのためには、たくさん読んで、たくさん読むことです。小説、歴史、SF......何でもいい、とにかく読め!
数学は科学と商業の言語である。多くの高等教育機関で数学の知識が必要であることは、いくら強調してもしすぎることはありません。医学、科学、工学、経済学、商学などです。数学があり、数学が物理を生み、物理が化学を生み、化学が生物を生み、生物が商業を生んだのです。
基本を押さえた上で、次に自分を伸ばしてくれる科目を選ぶ。なぜ、幅が広いといいのか。私の場合、理科と数学は一通り勉強しましたが、12年生の時に経済学を学び、ビジネスや政策立案に役立てました。好きな科目を選ぶと楽ですが、私の経験では、ほとんどすべての科目(経済学も)が、最初の障壁をコツコツと乗り越えれば面白いのです。
あとはどうするか? 私たちは単なる知的ロボットではありません。私たちは、心、体、感情の複雑な融合体なのです。 英語と数学のほかに、正式な科目としてやらなくても、できる限り続けておいたほうがいい分野が2つあります。それは、感情の言語である音楽と、身体の言語であるスポーツです。音楽やスポーツは人間として完成されたもので、英語や数学と同じように、後から身につけるのはとてつもなく難しい。
なぜか、良心的な指導者の中には、「簡単な科目を選んだ方が点数が上がるよ」と言う人がいます。そんなことはしないでください。自分のためになるどころか、長期的な展望を狭めてしまうことになります。その代わりに、チャンスの扉を開き続けることができる科目を選びましょう。あなたが有効なテーマを捨てるたびに、チャンスの扉は閉ざされるのです。
21世紀型スキル、たとえばレジリエンス、明晰な思考、コラボレーションなどについてはよく耳にするところです。これらは重要なことですが、実は、これらも20世紀のスキルなのです。私が学んだのは、ずっと前のことです。重要なことですが、これらのスキルを実践できるような厳しい勉強をしなければ意味がないのです。バスケットボールに例えると、ルールやコート上での振る舞いを知る必要がありますが、練習しなければチームには入れません。
インターネットで検索できる時代であっても、生の知識に代わるものはないのです。結局のところ、貢献できる特徴的なものがなければ、共同作業を学ぶ意味はないのです。
21世紀のスキルを身につけるには、ボランティアで社会奉仕活動をしたり、マクドナルドや地元のカフェでアルバイトをするのもいいでしょう。
最後に、キャリアについて2点ほどコメントします。
まず、雇用主はT字型の人材を求めています。T字の縦棒は深い専門知識を、横棒は21世紀型スキルを表しています。どちらか一方に偏ってしまうと、就職の選択肢が狭まることになります。
第二に、大学での勉強が生涯のキャリアを決める時代は終わったということです。理系であっても、ビジネスに軸足を置くこともできます。工学を専攻していても、政治に軸足を置くかもしれません。会計学を専攻していても、まだ発明されていない仕事に軸足を置くかもしれません。重要なのは、最初の高等教育をしっかり受けることです。そうしてスキルを磨けば、社会人になってからも、あるキャリアから別のキャリアへと簡単にピボットできるようになります。
もちろん、充実した人生を送るためには、この他にも多くの提案がありますが、少しでもお役に立てれば幸いです。
よろしくお願いします。
不治の病のエンジニア