self-awarenessの、はじめの一歩
オーストラリアの現地校、カリキュラムに、「自分の感情」を理解するというものがあります。
「この表情は、どういう感情と紐づいている」
を学びます。そして、感情を喜怒哀楽でざっくり分類して、いま自分がどの状態にあるのか? を把握させる、ということをします。
最初、それに一体何の意味があるんだ、とちょっと思ったりもしたんですけど。
よくよく考えると、
- いま自分が何を感じていて
- そしてその感情に対してどうふるまうべきか
というのは、とても大事なことだと。
今の日本の教育がどうなっているかわからないのですが、ついつい、「自分がどう感じているか」よりも、周りの人の目や、意見を尊重しがちな日本人。逆にいうと、自分が他人に合わせがちだからこそ、他人に対してジャッジメンタルになりがちな面もある気がしています。自分と他人の境界が、曖昧。
自分が何であるかが分かって初めて(self-awareness)、自分の軸がシャンとする、つまり本当の意味でindependentになるんだろうなと。他人に不必要に干渉しないで済むし、他人のありように不必要に影響を受けないですむというか。
self-awarenessはよりよく生きるために必要なスキル
ちょっと調べてみたら、WHO(World health organization)がself-awarenessは、「よりより生(well-being)」に必要なスキルの一つとしていることを知りました。
- Self-awareness 自己認識
- Empathy 共感
- Critical thinking クリティカル・シンキング(批判的思考)
- Creative thinking クリエイティブ・シンキング(創造的思考)
- Responsible decision-making 責任ある意思決定
- Problem-solving 問題解決
- Effective communication 効果的なコミュニケーション
- Interpersonal relationships 対人関係
- Coping with stress ストレス・コーピング
- Coping with emotions 感情コーピング
これ、とても分かりやすくていい分類だと思いました。
物事にどういう要素があるか、ブレイクダウンして言語化し、どういうアプローチで改善を図るか、という"課題の構造化"は、本当に欧米人は上手だなと改めて感心します。
いや、でもトヨタのカイゼンだってそういうことなんだけどね。抽象的な事柄になると、なかなかブレイクダウンできないのが、日本人の弱みなのかしら…悶々。さておき。
self-awareness はじめの一歩
プレップだと、まずはさまざまな表情の顔のイラストを使って、これはhappy face, sad face, exciting face, angry face…と、感情を名付けていきます。
そして、実際にその表情を作ってみたりして。
最終的に、感情を大きく分類して、どの状態になったら、どうすべきか…ということを学んでいきます。
セルフコントロールの仕方は、発達段階に応じて様々です。プレップレベルだと、まず自分の状態が何かをわかるトレーニング。
Year 1くらいになると、教室に張り紙がしてあったりして
「いらいらしたら、まず水を飲む。」
レベルの、簡単な、でも、おとなでも無意識にそれしてるかも、というような、コーピング法のアイデアが出てきます。
とはいえおとなでも難しいセルフコントロール。
公共交通機関では、乗客のスタッフに対するabusiveな態度が問題になっていますし、社会全体として、オージーはみんな大人で自制的かと言われると、まあそんなことも無いかなと(笑)。
ただ、国民性なのか、教育のせいなのかはわかりませんが、他人の感じ方に対して、ジャッジメンタルにモノを言ってくる人は少ない気はします。フレンドリーで、親切だけれども、他人に不必要には干渉してこない。
相手を尊重する第一歩は、自分の尊重。
自分の感情、そして子どもが何を感じているかを自分でわからせるという目線は、大事にしないとな、と改めて思いました。
日本人は、他者を尊重する、というか、他者を傷つけない配慮はするように躾けられるのですが、ついつい自分がおざなりになるので。自分と他者のバランスがもっといい感じに取れるようになると、もっと生きやすくなるよね、とは思う。