駐在中に、何をする。配偶者の尽きない悩み ②就学オプションを検討する

駐在1年目にして、コロナによる初めてのロックダウンが12月ごろにようやく終息し。そこから、いよいよ、「具体的に何をするか」についての悩みが深まって参りました。ただ、かなり紆余曲折ありましたよ。本当に。

 

就学か?就業か?この2つについて検討しました。

 

 

制限要因

  • たろう 現地校ではないため、アフタースクール(学童)が使えない
  • はなこ キンダー&チャイルドケアの預かり時間が短い
  • パートナー(駐在本人) オンサイトとwork from homeの比率が安定しない

パートナーの就業状況ですが、パンデミック前は週5日フルタイムで出勤していました。ところが、ロックダウンでエッセンシャルワーカー以外は出勤禁止になり、19年4月ごろに「See you few months later!」と言われたあと、ほぼ半年以上在宅勤務に(;´Д`)。ただ、12月のロックダウンの解除とともに、オンサイト勤務に復帰しはじめましたが、仕事内容も安定せず、オンサイト勤務ゼロの週もあれば、週4近くいく週もある、という感じの時期でした。

 

就学オプション① 留学生として、学位を取りに大学に行く

まず、考えたのはこれです。しかし、その場合問題になるのは、

  • 各大学が指定するIELTs基準に届くか
  • 費用・年数 ※費用については、費用対効果含む
  • 専攻科目
  • どのくらい勉強が大変になるのか

この4つ。

 

費用・年数については、専攻科目と深くかかわってきますが、総じて学費だけで数百万円。キャリア投資と考えれば、出せない額ではないけれど、ならばなおさら専攻科目が重要になります。投資効果が重要。

 

前提として、Mellyは、サイエンス系の修士号(Master)を持っています。

  • 手元の学位をさらに深める(Doctor)
  • 全く違う分野を学士から学ぶ(TAFEまたはBachelor)
  • MBAなど職歴を生かした学位を取る(Master)

選択肢はこの3つ。

 

TAFE(専門学校)もなくはないけど、TAFEの技能を生かして就職するって、ありうるか? 将来的に自分の専門領域×何か、で独立するならありかも?って感じなので、ちょっと脇に置いておく。また、手元の学位をさらに深める、は自分の興味関心を考慮して、いまはオプションから除外。豪州に来る前にマネジメント職に移りつつあったこともあり、ビジネスって改めて面白い気がするな~。ということで。

 

まず、最初に考えたのはMBA(Master of Business Administrator)ですが、とにかく費用が高額!! 豪州で最も安い水準の大学にオンライン入学したとしても、サザンクロス大学で400万円ちかくかかりそうな試算になりました。ちなみに豪州のMBAの学費は、他の欧米よりだいぶ安いんですが、それでもね…。

※学費は、年度、ビザ種によって全く変わりますので、ご参考まで。

 

さらに。専攻が何であれ、学生をやるとなると、時間をいかに捻出するか、というのも非常に大きな問題になります。少なくとも、下の子はチャイルドケアの日数・時間を増やすか、シッターを付けないといけない。他の留学生と違って、生活費はかからないけれど、時間捻出のためのコストはかかる。

また、駐在期間がいつ切れるか、これも心配の種です。日本に帰ったら、私はフルタイム復職。いくらオンラインのオプションがあったところで、学生生活と両立できません。

 

就学オプション② 語学学校に行く

もっとも、ハードルが低いオプションです。しかもパンデミックで、費用がかなりディスカウントされていて、お得! ただ、学ぶのは英語のみ。どこを到達基準にして通うのか? 目標設定がポイントになる、と思いました。

 

留学エージェントに相談することに

時間・費用・年数のみつどもえだと、専攻決めも進みません。とりあえず、学位取るなら、MBAもしくは、BBAのどちらか、と仮決めて、いくつかの留学エージェントに相談に行きました。

 

が、留学エージェントのメインフィールドは「留学生(と、ワーホリかな?)」であって、私のようなテンポラリーのビジネスビザ持ちではありません。となると、かなりニッチな客になることもあり、なかなか的を射たアドバイスに到達しませんでした。

 

留学エージェントで言われたこと

留学エージェントA:「生活の様子を聞くと、語学学校が妥当ではないか」

留学エージェントB:「自分のビザで就学できるかどうか自分で学校に相談を。出願まで時間がないので、すぐIELTs受けてください!

 

正直言って、どっちもピンとこないまま、確かにIELTs受けないことには話にならんと思って、受検を決意。

 

留学エージェントB:「直近の願書出願タイミングを考えると、〇〇までに受検結果が必要です」

 

準備期間2週間しかないやんか!

そして、自分の今の生活で、学生をやるということがどれだけ現実的なのか、についての具体的なアドバイスも特になく(留学生のイメージを掴むために、タイムテーブルを細かく聞いたのですが、学校による・専攻によるとばかり)、とにかく早く受けろの一点張り。ちょっとイラッとしながらも、はじめてのIELTsを受検することにしたのでした。

 

といったって、IELTsの受検料だって高いですからね! 

$400前後支払って、足切りに到達しなかったら泣ける、と思って勉強しました。

 

IELTs受検、そしてようやく運命の留学エージェントと出会う

どうにかこうにか2週間の準備で、IELTsの足切り基準を突破。

4技能の英語試験は初めてだったので、準備にはかなり時間を取られました。公園で子どもを遊ばせながら、他のお母さんに「ちょっと勉強させて」といって自分だけベンチで勉強したり。パートナーが帰宅してからは、子守りをお願いしたり。大学時代の研究室生活も思い起こし、いま、この状況でまた学生に戻った場合の家族の負担をしみじみと考えてしまう期間になりました。

 

そして、この結果を留学エージェントBに伝えたら、間違いなく、「願書出しましょう!!」になるに決まっている。それ以前にクリアにしたい問題があるのに。

 

そんなとき、出会った留学エージェントC。この方がプロ中のプロでした。

 

私の話を親身になって聞いて下さり、私の家庭の状況や職歴等々も勘案してくださいました。さらに、エージェントとしての経験も知識も豊富。

「豪州に永住なさるならともかく、そうではない。お子さんの年齢も考えると、豪州に滞在する限られた期間を、家族で十分に満喫して楽しむ、というのもとても大事なことだと思う」

「そのビザなら、単科受講が可能。それならば好きな単位を取れるし、時間の融通もはるかに効きやすい」

 

最も、私たち家族にとって納得感のある提案をしていただき、パートナーとも相談したうえで、この路線で行くことにしました。

 

本当に出会いってめちゃくちゃ重要です。そして、一人にあたってダメだったからと言って諦めてはいけない。とにかく、「ほんと困ってるんです」って、いろんな人に言い続ける(笑)。そうすればいつか、弾が当たります!

 

駐在配偶者の就学について

駐在配偶者の就学には、語学力を除けば「費用・時間」が最大の制限要因になると思います。そして、あとは、何よりも「家族として、駐在のこの時間をどのように過ごすか」「今後のキャリアをどう展開するか」ということがとても大事になると思います。駐在本人こそ、これを考えるべきだと思うんですが…。

 

母子で留学され、お母さんは大学(院)へ、お子さんはチャイルドケアや地元の学校に行かれている方もいらっしゃいました。その気になれば、子どもがいたって学生になれます。両立の仕方はいかようにでもあるので、子どもがいたら無理なんだ…と、悲観的にならないでいただきたいと思います。勉学に関しては、やろうと思えば、ほぼ何でもできます(国ごとにビザ内容は要確認&お金は必要ですが)。

 

単に、我が家の場合・私のキャリアの全体最適は、Mellyがフルタイムの学生になることではない、ということ。家族の状況、性格、人生に対する価値観、等々踏まえ、納得感をもって決めていくことが大事だ、と感じています。何を選んだとしても、自分たちが心底納得したのであれば、誇りをもって進んでいくことが何より重要だと思います。

 

畢竟、人生なにを選択し、何を犠牲にするか。そんなことを改めて思いました。