オーストラリアのチェックイン・アプリってこんな感じ

相変わらず、日々3-4万人の新規感染者をだすビクトリア州。PCR検査結果に、個人で実施したRAT結果(報告義務あり)が乗っかって、安定してこのくらいの数字で推移しています😢。おとなり、ニューサウスウェールズ州は、昨日からRAT結果の集計も始まり、貯まった結果が一度に乗っかって、新規感染者数が9万人/日の報告に。

 

オーストラリア、いまでこそlet it ripをコンセプトにしていますが、去年の途中までは、「徹底的なコンタクトトレースとロックダウンによる封じ込め」が政策のコンセプトでした。その時に活躍しはじめ、いまも活用されているのが、チェックイン・アプリ。

 

ビクトリア州では、ここ1年ほどは、チェックイン・アプリ(スマホがないひとは、その場で記帳)がコンタクトトレースに使われてきました。様々な場所・施設に入るときには、必ず、その場所ごとに付与されたQRコードを読み込んで、滞在した記録を残さないといけません。

 

ワクチン接種の証明も、このアプリで出せます。ほんと、スマホがないと不便でしょうがない世界。私の親世代、私の爺(アラ・エイティ)なんかは、ガラケーすらろくに扱えず、スマホなんてもっての外。オーストラリアだって、そのくらいの年の高齢者は大勢いますし、メカが苦手な人もたくさんいますけど、容赦なしで進んでいきます。そこで、地域のコミュニティハウスが、高齢者向けにデジタルもののサポートをしたり、あるいは親戚の若い子が助けたりして、どうにかこうにかやっているようです。で、強いられると、できるようになるというのも真実で、「このトシでメールとか、SNSとかバリバリするのね」っていう人は、珍しくなく見かけます。

日本でデジタル化が進みにくいのって、「使えない人を見捨てるのか!」っていう声が大きいのはあるんだろうなって気はする。

 

 

チェックイン・アプリは州ごとに違う

連邦政府として、COVID対策の大方針や国境管理の施策は出ていますが、細かい対策立案と実施は、州単位でやっているオーストラリア。そのため、チェックイン・アプリも州ごとに違います。州またぎの旅をするときは、行く先のチェックイン・アプリをインストールしておくと便利。

 

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NSW、VIC、ACTの3州のチェック・インアプリ。タスマニアのも持ってます(笑)。

NSWとVICのは、チェックイン機能だけではなく、日ごろの様々な行政サービス機能もこちらに入っていて、活用すると便利そう。例えば、釣りをするのに必須の、フィッシングライセンスもこのアプリから申請できます。

使い方

NSWだけ、事前にアカウント登録が必要でしたが、他の2州のは、自分の個人情報(名前、電話番号ぐらいだったか?忘れました)を、アプリ上でちょちょっと入力するだけ。

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QRコード読み取り画面。全然関係ないコードを読んでいるので、エラーが出ています。

アプリを立ち上げて、お店などに掲示してあるQRコードを読み込むだけ。Easy peasy! ちなみに、ビクトリア州では、チェックインをさぼると罰金、店側もチェックインをさせないと罰金です…。いつばれるかって、感染した時だと思うけど、罰金を食らわないためにも、また、他の誰かのために、チェックインは、しましょう。※なお、退出時のチェックアウトは不要。

 

以前は、ビクトリアは、PCRテスト陽性者が、その場にどのくらい滞在したか、環境がどうだったかなどに基づいて、その場にいた人(接触者)のリスクを、Tier 1, Tier 2, Tier 3と分類して、SMSで通知していました。また、各分類に該当する場所は、リスト化されて公開されていたのですが、感染者の増大とともに、システムは大きく変わりました。ちなみに、当時のリスクレーティングは

 Tier 1 :即PCR、二週間の自己隔離

 Tier 2 :即PCR、症状が出るか経過観察

 Tier 3 :症状が出るか経過観察

って感じだったと思うのですが、私たちも1回だけ、Tier 2に該当しますよ、というSMSを受け取りました。近所のスーパーに行ったときに、陽性者も同じ場所にいたようでした。

 

これだけガッチガチにやっても、δ株が出たら、破綻したんだよなあ。システムだけの問題ではなくて、δ株が従来株よりtransmissiveだったことや、ロックダウンによる我慢疲れなど、コンプライアンスの低下も大きかったと思いますけど。ましてやオミクロンをや。人間なんでもどうにかできると思ってはいかんのだなとか、ちょっと諦観の域。

NSWのアプリは見やすい!

ちなみに、個人的にシステムとして、よりユーザビリティに優れているなと思ったのは、ニューサウスウェールズのアプリ。チェックイン時だけでなく、チェックアウトもしないといけないのがひと手間なんですけど。

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NSWアプリの、チェックイン・アウト歴。陽性者が出た場合は、このインターフェイスからアラートを確認できる。COVID CASE ALERTが、陽性者と同じときにいたという意味。

「その時に陽性者がいましたよ」というアラートが、アプリ内で確認できるのが、いい。 どのくらい危ないかは、自分がいた場所の性質・滞在時間によるんでしょうけど、なんとなく予測がつくので、個人的にはVICのシステムより、一元化されてていいなって思いました。

 

そういえば、コロナ1年目は、連邦政府が作った、日本のCOCOAみたいな接触通知アプリ(COVID safe)もあったんだけど、結局うまくいかず、今の形に落ち着いてます。罰金による強制力と、そのアプリを使うことによる実質的な成果が、目に見えないとなかなか浸透しないかなあ。この国の場合。いま、接触確認アプリで感染管理してたら、(クリアランスをどこまでとるかによるけど)アラートの飛んでこない日はないような気もするし(;´Д`)。いまぐらいのレベルの管理が、このウイルスの性質に即しているのかもな、なんて思います。