ジョコビッチ入国拒否、流通遅延…混乱は続く。

メルボルンの夏のビッグイベントといえば、全豪オープンテニス(Australian Open)!オリンピックパークで2週間にわたり開催され、アイコンであるオーシャンブルーが印象的な大会です。昨年優勝は、男子はノバク・ジョコビッチ選手、女子は大坂なおみ選手。ところが、昨日から、この前回優勝者のジョコビッチが入国できない!というので、メルボルン(全豪?)のニュースは大騒ぎです。

 

ジョコビッチ、かねてより反ワクチンの主張をしており、本人も未接種(罹患経験はあり)。ジョコビッチの場合は、入国ビザと、未接種であることの医療的妥当性を示すMedical Exemptionの両方が揃って、初めて豪州への入国と当地での活動が認められます。で、もちろん、両方揃えてメルボルン空港に一昨日到着したようなのですが、入国審査で、「Medical Exemptionの内容不足」を指摘され、書類不備によりビザも取り消しになった、という流れです。

 

このMedical Exemptionを利用して全豪に参加する選手はジョコだけはありませんで、すでにこの条件で入国済みの選手もいくらかいるようです。状況から考えて、ジョコ側の書類不備は、やっぱり何等かあったのかな~という印象は受けます。

 

このあたり、オーストラリアがワクチン未接種者に対していかに厳しい態度をとっているか、という点、またMedical Exemptionに具体的にどのような内容が必要なのか、を本来はテニス協会(Tennis Australia)が助言するべきだったのではとも思うのですが。まあ、当のテニス協会も、そういった情報にどこまで精通していたかは疑問もあるところで、総じて「オーストラリアの入国審査、ナメてるとやばいよ」っていうのは言えると思います。今回の件に限らず、動植物検疫も、とっても厳しいです。

ジョニー・デップの愛犬が送還されたことあるしね…。ルールを守っている分には、金持ちに甘すぎるんじゃないの?って思うことは多々あるけど、ルール破ると厳しい気がする。オーストラリアの琴線がわかるようで、まだわからない。

 

ジョコは、スーパースターだけに、仮にまっとうにMedical Exemptionを取れていたとしても、国民からの批判はまぬかれないし(実際、入国前に物議をかもしていた)。ナダルの言葉が沁みますね。

 

やはり抜群に強いし、メドベージェフとまた対戦してくれないかな~とかいろいろ楽しみにしていただけに、このまま送還となったら、ちょっと寂しいファン心理。連邦政府の国境管理としては妥当な判断だったとは思いますが、ニュースから漏れ聞こえる情報を聞く限り、主催者側が何としてもジョコを入れたかったのならorジョコ側から何らのフォロー依頼があったのなら、主催者の多少の至らなさもありそうな気配で、すべてジョコだけが悪いのかね?とも思う。もちろん、ことの発端における責任に関してはナダルの言う通りですが。

 

さてさて。コロナまわりの騒動はこれだけに及ばず。

日常生活レベルだともっと落ち着かない感じになっています。

 

まず、流通。オーストラリアは国土が馬鹿でかいので、貨物輸送の4割くらい(輸送トンキロベース※)をトラック輸送が担っています。そして、人口が密な場所が点在していて、それぞれ距離が離れているので、輸送効率が悪い。もともとの悪条件に加えて、クリスマス以降のコロナの感染拡大に伴い、トラックドライバーの隔離が激増!つまり陸上輸送が阻害されています。

 

スーパーマーケット大手のColesが数日前に、鶏肉やソーセージなどいくつかの商品に購入制限をかけたのですが、昨日スーパーに行ったらもうこんなだった。

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高いチキン以外、売り切れ~

ところによっては、肉類だけにとどまらず、いろんなものがなくなっているようです。で、ないと思うと買いたくなるのが人の心。以前のパニック・バイほどではないですが、おそらく、一人当たり購入量がちょっと増えててもおかしくないとおもうんだよな…。パンデミック初期のパニック・バイ(買占め)は本当にひどく、トイレットペーパー、小麦粉、パスタ、砂糖、かんづめ、肉類の棚が、集中的にスカスカになりました。子どもの常備薬も供給がタイトになったし。あの頃は、豪州国内で冷凍庫がバカ売れしたという笑えない記憶も…。これらがいつ納品されるかもわからず、不安だった覚えはあります。

 

いまは、「RAT(Rapit Antigen Test)キットは売り切れました」の張り紙と、この散発する棚の寂しさが象徴的。一時的になくなっても、また戻ってくるってわかってるからそこまで慌てませんけど。

 

そして、年末年始のPCRテストの大混乱を受け、テストの主流はPCRからRATへ移ろうとしています。が、これまたキットの供給が追い付かずで、市民はキット確保にドッタバタ。もう少ししたらRATキットの供給が落ち着くという話もあるので、それまで風邪症状を出すことなく!!なんとか乗り切りたいと思います(※今の検査基準は、「症状が出たら」)。

 

RATキット確保のために、こんなウェブサイトも立ち上がってまして。かつての台湾のマスクサイトの民間版かな?

findarat.com.au

入荷されると、その情報を得た人がウェブサイトに情報を上げていきます。ただ、キャンベラの国会議事堂Parliament Houseや、スコット・モリソン首相宅にフラグが出てたりすることもあるので、ジョークはうまく受け止めて使いましょう(笑)。これ見たときは笑いました。