はなこは、なぜ現地校を選んだか

たろうのときは、「母語確立が第一」と、「渡豪直後の本人のメンタル状況」を考え、日本人学校一択でした。では、はなこの就学はなぜ現地校にしたのか。それについて少し書きたいと思います。

 

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結論として、現時点では

「現地校へは、プレップ(日本の年長さん)の1年だけ通わせる」

ことにしています。

 

そもそも、幼児の語学教育は未知な領域が多いっぽい

言語学者でも教育学者でもないので、話半分にしていただきたい部分はあるのですが。ただ、インターナショナル教育の専門家の講演や、様々なご家庭の体験談、私自身の実感として、「子どもを高度な日英バイリンガルにする、鉄壁の方法論」みたいなものは、学術的にはまだ見つかっていない、と思っています。ったとして、家庭や子どもで状況が違いすぎるので、運用できるかどうかは別問題だろうし。

 

言語習得臨界期

ダブルリミテッド

セミリンガル

 

これらのワード、耳にした方も多いと思います。私が何より恐れていたのは、「母語(日本語)習得がおろそかになって、思考力が発達しない」ことでした。日本人学校に通うたろうですら、同年代の日本在住の子に比べると、語彙力が弱いように感じることがあったりするんですね。特に、日本から新しく駐在家庭の子がくると、ボキャブラリーの差に気が付きます。

 

かといって、母語を英語に完全スイッチするほどの教育は、我が家では到底、施しようもないことも理解しています。でも、せっかく英語圏にいるのに、日本語教育に命がけ!でいいのか、というとそれも勿体ない…と、相当に悩みました。それは英語に触れる、というだけではなく、マルチカルチャーにいるのに、日本人メインでつるむのも勿体ない、という点も含みます。

 

幼児期の強みはなにか

幼児期、小学校低学年ぐらいは、英語に限らずどんな言語も、割とスムーズに入ってくる時期と言われています。それだけに、抜けるのが早い(笑)。駐在中は、英語ペラペラしゃべってたのに、帰国したらサッパリ忘れてしまった…とか、あるあるです。

 

英語という言語を解体した時に、日本人が何に苦しむかというと

ボキャブラリー(語彙)

発音の違い

文法の違い

文化的背景・思考の違い

と言われています(っていうか言語の構成要素のほぼ全部(笑))。

 

ボキャブラリー・文法を高度に磨き上げようとすると、ネイティブ並みに勉強し続けるしか方法はありません。高度な日英バイリンガルの方は、これを習得するために、適切な時期に、適切なやり方で、日英ともに凄まじい努力をされた方が多いと思っています。

 

幼児期に身に入れておいて、発話は忘れても、センスとして残るものは何か。そう考えたときに、「英語の音」「多様性の中で、居場所を見つける力」だと、私は考えました。

 

はなこの性格

はなこですが、日英バイリンガル幼稚園に2年通いました(ロックダウンで、半分くらいロクに通えていませんが)。基本は、日本人同士で固まっていたようですが、日本人以外のお友だちとの交流も多少あったようです。

 

渡豪直後は、見た目・言語が違う人を避けていましたが、ここのところ、「言葉が通じなくても、穏やかな子とは一緒に遊べる」という法則を本人なりに見つけたようで(笑)、初対面の子でも、国籍問わず上手くやっていたりします。

 

また、やんちゃくれのたろうに比べると、「相手や大人の出方を見て、自分を適度に律する」という、日本人かつ、下の子だね~、というキャラクター。日本に戻した時にも、たぶん周りを見ながらうまく適応していくタイプだろうなと。現地校と日本の学校、カルチャーが全然違いますからね…。ここが柔軟なタイプでないと、日本に帰したときに酷い目に遭いそうで。

 

さらに、ひらがな始め、勉強を家で嫌がらずにやってくれる。これも大きなポイントでした。ひらがな・かたかな・(日式の)算数初歩ならば、親がフォローアップできそう。

たろうを通わせていたので、日本人学校のプレップのカリキュラムがどんなものかわかっているのも、フォローアップにあたり、親としては大きな参考情報となっています。学校なみのことはできませんが、最低限どこまで家庭学習するかという参考になるので。

 

仮説

本人の性格、ここ2年での成長ぶりを考慮して、はなこに関しては、現地校に入れることで、「英語の音のセンス」「多様性の中で居場所を見つける力」を強化できるのでは。というのが現時点での我が家の仮説です。ただ、母語の成長を阻害しないため、1年だけです。はなこの場合、まがりなりに2年間、バイリンガル園に通っていたので、英語の基礎力ゼロではないのも、この「1年だけ」という選択肢に大きく影響しています。また、家庭では、日本語のフォローアップを施す予定です。

※とある専門家の方にご相談して、このプランであれば、母語形成に長期的な問題はないだろうという見解は頂戴しています。子どもを直接見ていただいたわけではないので、参考程度にしていますが…。

 

何か問題があった場合は、日本人学校に撤退(転校)するつもりです。その点、選択肢があるのは本当にラッキーでした。

 

鉄壁の方法論がない上に、幼児って、性格も発達段階も子どもによって、実に違います。私たちが彼ら彼女らにできることって、性格と適性を見極めて、適度にチャンスを与える、しかないのかなと…。一方で、壮大な実験だなとも思いますね。だから、こうやって記録をつけています(笑)。