いざ、駐在 ④子どもの病院を決める

我が家は、たろうに継続的なフォローアップの必要な持病があります。豪州に転居するにあたって、最も心配したことは、「日本と同じレベルの医療を確保できるか」だったような気がします。

 

 

1.日本語の通じるGPに現地事情をヒアリング

日本と、オーストラリアの医療制度は異なります。

日本の医療制度は、基本的にはフリーアクセス。患者本人が行きたい病院・診療科を選びます。オーストラリアは、かかりつけ医(General Practitioner)にかかり、その後、必要な診療科の専門医(Specialist)へ紹介してもらいます。

 

健康 特集 | 【医療特集2016①】基本からわかる オーストラリアの医療制度 | NICHIGO PRESS | 日豪プレスが運営するオーストラリア生活総合情報サイト

 

たろうの場合、明らかに専門医にかかるのが必須な疾患で、定期的な服薬が必要。一方で、オーストラリアへ持ち込み可能な薬は「3か月分」まで。保健当局に個別交渉すれば、それ以上の持ち込みも可とのことでしたが、薬にも使用期限がありますから、豪州で早期に薬を手に入れられる状態にしたほうが安心という判断に。

 

幸い、日本語の通じるGPがありましたので、そこに相談のメールを送りました。

  • 私と子どものお試し渡航時にGPの診察を受け、専門医へ紹介をしてもらいたいこと
  • 紹介から、専門医の診療まで、どのくらい時間がかかるか

 

お試し渡航時の診察についてはもちろんOK、専門医の診療までの待ち期間は、概ね1-2か月とのこと。19年の年末渡航を考えていたので、年明け1月に専門医診察ができるよう、お試し渡航は10月としました。

 

2.お試し渡航とともにGPへ

 

お試し渡航時にGPにかかりましたが、さらりと疾患と今までの経緯を説明しただけで、スムーズに専門医に紹介していただきました。スタッフの皆様もとても親切にしてくださり、「専門医の候補は何人かいたけれど、この方なら間違いないと思う」という先生をご紹介いただきました。

 

その病院、こちら。オーストラリア屈指の小児専門病院。

www.rch.org.au

 

日本の主治医も、この先生の経歴を確認してくださり、臨床・研究ともに実績多数のしっかりした方だというコメントをくださいました。そして、今までのモニタリングデータを、引継ぎで送ると約束してくださって、安心して渡豪したのでした。

 

3.専門医にかかる

当初目論見どおり、無事スムーズに専門医にかかることができました。

が!なんと日本の主治医が引継ぎデータを送り忘れていて、専門医に一から説明する羽目に。渡豪したてで英語のヘッポコぶりが最高潮だった私たち、地獄を見ました…。

とはいえそこは専門医。たろうに必要な検査をパパっと手配し、今の処方薬の量についてレビューした上で、処方箋と次回診察のタイミングを的確に指示くださいました。

 

移民の国、オーストラリア。無料の電話トランスレーション・サービスがあります。重要な交渉は、こちらを使うのが確実です…。

www.tisnational.gov.au

 

このように書くと、順調に行ったんだな~、という印象になると思うのですが、本当にたくさん考えました。日本と同じ薬が手に入るか?から始まって、病態管理に使う生理学的指標の日豪間の違いもあって、「本当に大丈夫か?」と心配し続けていた気がします。幸運にも、今のところ大きな不具合もなくコントロールできているのですが、健康問題は神経を使いますね…。

 

お子さんに持病のある方で、海外転勤をする場合は、その国の患者会にコンタクトを取って、日頃のケアの実態について聞いてみるのも手だと思います。