いざ、駐在 ③転居の時期を決める・キャリアプランを考える余裕はなし

駐在者本人は、辞令が出てから、ある程度決まった期間のうちに渡豪しなくてはいけません。我が家の場合、私も働いていたこと、帯同休職を取得するにあたり、いくつか考えないといけないことがあり、時間差転居に決定。「私と子どもは、後から渡豪」にしました。

 

 

 

1.休職の条件

3年を上限とする、という休職条件が最も気になるところでした。

法的根拠は社会保険料の仕組みによるところになりますが、「配偶者の海外転勤が終わるまで特別に3年以上休職可」としている会社も存在するようです。労務の専門家でないので詳しいことはわからないのですが、管轄の労基の考え方や、会社の規定の違いかな~…と妄想

 

駐在本人のオファーは、「目安:3~4年」で来ていましたが、前任者はそれを大きく上回る期間でした。駐在期間が、目安でしかない中で、私は3年しか休めない。Max3年休んで、かつ、ワンオペ子連れで帰国した場合を考えて、子どもの就学タイミングも考慮しなくては。

 

また、社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料)は、休職(つまり無給)期間中であっても、休職前の給与を根拠として算出された金額を払い続けなくてはいけません

休職前に、ある程度の現金預金が必要だと痛感しました…。

 

2.転居の時期と税金

住民税は、その年の1月1日付けで住民票のあった場所に課税されます。

2019年半ばに配偶者が辞令を受け転居、私もあまり遅れたくはないが、かといって現金も貯めたい、ということで、給与・2020年の住民税支払い・帰国時の子どもの就学タイミングを計算・考慮し、約半年ワンオペ育児&仕事をしてから、2019年末に渡豪、が最も良さそう。という結論に至りました。

 

3.自分のキャリアをどう考えるか

2年ほど前から、配偶者の海外駐在の可能性については、におわされていました。

それを踏まえ、休職取得前までに、「なるべく多くの人に、いい印象を残す」ことを目標に、一生懸命働きました(笑)。休職後にどの部署に復職になるか、全くの会社都合になるため、そうなると、「あの人が来てくれるなら嬉しい」と思ってくれる人をひとりでも増やすのが、自分のできる唯一の対策だったからです。

(長らく休んで帰ってきて…みたいな冷ややかな目線ってしんどくないですか( ;∀;)。そんなことないと思うけど、その可能性を減らしたかったんです)

 

問題は、「休んでいる間に、豪州で何をするか」「帰国後に何を目指すか」

漠然と、何か勉強できたらいいな~と思って、たまたま目についたオーストラリア留学フェアに参加したりもしましたが。語学学校にしたって、決して安くはない(ざっくり$400/週~)。さらに、私が学校に行くとなると、はなこにデイケアに行ってもらわないといけなくなり、その費用がオンになる…。身の振りの選択肢の少なさ、何をするにしても、それなりにお金が必要そうだという現実が、心の中で、重りのようになっていきました。

 

渡豪時期が迫るほどに、ワンオペ育児&仕事に加え、引っ越し準備、その他手続きが日ごとに増えていき、最後は、自分のことについてじっくり考える時間はほとんどなかったと言っていいと思います。

 

「いつかインターナショナルな仕事にリベンジしたい」気持ちはずっとありました。しかし、リベンジできるほどの能力を、豪州でどのようにして身に着けるか。具体的なプランニングに至ることはありませんでした。

 

また、休職制度を利用したことがある当事者もほとんど会社におらず。駐在経験のある上司(当時は男性ばかり)に話をしても、「2、3年なんかあっという間だから、楽しんでおいでよ!」ぐらいのアドバイスしかない。もう、案ずるより産むが易しか…考える時間もないし…と、結局、自分のキャリアに関する取り組みについては、ほぼノープランで渡豪しました。

 

私の場合、未知数の環境に幼児2人連れ、と不確定要素が多かったので、綿密に計画を立てたところで、ご破算になっていた気もします。一方で、きちんとしたプランがあれば、プランそのものが、具体的に行動を起こすドライブになるわけで。

会社も、休職させるだけでなく、休職中も会社の研修などにオンラインで参加できるようにするなど、意欲のある人に対しては積極的にケアしてはどうか、と思ったりします。育休にしてもそうですが、「休む」というオプションは、一見優しいのですが、「休ませてもらってるからこそ要望・文句が言いにくい」「会社に所属しているからこその不自由さ」も、付随してくるものだと思っています

(それを感じる出来事を、後にまざまざと体験…)

 

働き方も、働く場所もこれからどんどん多様化するのであれば、単に「どうぞお休みください」だけではないやり方を考えないと、人材の飼い殺しになるよなあ…。もちろん休職者本人がどうにかするのが基本だとは思うし、キャリアを追うだけが人生でもないし、海外であれこれ奮闘するのって、それ自体が大きな経験ではあるんですが。かといって、駐在配偶者が何かをしようとすると、案外自由がなくて苦労するのです。

そして、隣では配偶者が変わらずキャリアを積んでいるわけで。休んだ側がジレンマを抱えるのは、自然なことだと思うけど。

配偶者の海外転勤に帯同する際の制度として、「休職制度がベストではない」、というのは言えるだろうと思っています。もちろん、制度として、ないよりあったほうがいいし、この制度の導入率が低いことも知っています。自分がいかにラッキーかというのも。ただ、恵まれてるのに文句言うな、だと何も世の中変わらないので。