いざ、駐在 ①子どもの学校を選ぶ

駐在が決まった2019年の半ば、我が家には2人の未就学児がいました。

真っ先に決めることといえば、

  •  家探し
  •  子どもの行き先(学校)決め
  • (駐在本人以外の)転居のタイミング

ということで、まずは学校を決めるところからスタート。

 

私たちの子どもは以下の通り。

  • たろう 保育園児(年中)
  • はなこ 保育園児(3歳未満児)

 

オーストラリアでは、日本より1年早く、日本の年長さんが就学年齢になります。

したがって、たろうは、小学校選びをメインにすることが決定。

 

ここででてきたのが、

現地校か?日本人学校か?

の選択でした。

 

ものすごーーーく雑に言うと、

英語やるの?日本の勉強やるの?ドッチ!?

…です。

 

結果的に、たろうは日本人学校を選択したのですが、その決定の経緯について書きたいと思います。

 

1.親のバックグラウンドと当初の考え

2.現地の事情

3.たろうの事情

4.体験入学と最終判断

 

1.親のバックグラウンドと当初の考え

私たち夫婦ですが、生まれも育ちも教育も、100%メイドインジャパン

 

ふたりとも社会人になるまで、学校で習う受験英語に、習い事のゆる~い英会話、あとは親から強制的にNHKラジオ(基礎英語)を聞かされる程度の経験値しかありませんでした。普段の生活では日本語しか必要としたことがありません。

 

私ですが、この「運用能力ほぼゼロ」の英語能力で、外資系企業に入社してしまったために、数年間、英語と大格闘した経験があります。大人になってから第二言語を獲得することの難しさや、英語の運用力が足りないことによるチャンスロスなどを、文字通り身をもって経験しました…。「英語を使わざるを得ない環境で、英語がロクにできない状態」についての経験値は、少なくはなかったんです。ああ、辛かった。

 

今回は、幸いにも英語圏への駐在

 

私としては、英語ができるに越したことはない、というのは百も承知で、一方で、「高度な思考は、十分な母語の能力あってこそ」というのは、高等教育を受けるなかで、痛感してきたことでした。また、外資で出会った「高度な日英バイリンガル」な人たちが受けてきた教育内容を聞くと、「普通は、そこまでは無理だろう」という内容と量であるというのも、感じていました。一方、社会人になってからハイレベルに習得した人もいましたし、一体今まで外資でどうやって生き延びてきたのかというぐらい、できない人もいました(笑)。

さらに、赴任が決まったころは、ダブルリミテッドなど、バイリンガル教育の難しさに関する話も、世の中にちらほら出だした時でもありました。

 

我が家においては、日本語もまだ十分でない子どもの年齢を考えると、母語の確立がまず優先ではないか。ということが、なんとなく頭に浮かびました。

 

私は自分の来し方や経験から、こんな風に考えましたけど、家庭によって考え方は様々だなあ、と痛感しています。駐在期間や、子どもの年齢や性格も考慮に入れることになるので、最適解は、ケースバイケースなんだと思います。我が家はわりと保守的なほうかも?

また、会社によって、学費補助のルールはかなり違うようで、子弟を積極的に現地校に入れるように推奨する会社もあれば、日本人学校を薦めてくる会社もあったりで、いろいろあるようです。

 

で、私の配偶者はあんまり何も考えていなかった模様(笑)。うちは揉めませんでしたけど、夫婦間で意見が相違することも、よく聞く話です。

2.現地の事情

同じ会社に、我が家と近い年齢のお子さんがいる人がおらず、なかなか情報が入ってこなくて、苦労しました。渡豪してから知ったこともいっぱいあります…。

選択肢としてあったのが以下の通り。

 

  • 全日制日本人学校:日本語で、教育指導要領に従った教育を行う。
  • 現地校・公立:公用語(英語)で、オーストラリアの教育を行う。
  • 現地校・私立:公用語(英語)で、オーストラリアの教育を行う。
  • 補習校:日本語で、教育指導要領に従った教育を、補習的に行う。土曜日だけ。
  • 語学学校:現地校への入学にあたり、半年を上限に、必要な語学力を醸成する。

 

いずれにしても、現地校か?日本人学校か?の二択。

3.たろうの事情

さて、当のたろう。

 

日本の保育園に1歳未満で入園し、以降、優しい保育士さんとお友だちに囲まれ、本当に生き生きと過ごしてきました。仕事の都合で、オーストラリアにお引越しになったんだ、というと

「なんでー!行きたくない!!」

と、猛反発。

 

実際、行ったことのないレストランに行くのでさえ一苦労で、知らないお店だとハンガーストライキをするような子どもだった、たろう。さらに、ストレスの影響を受けやすい性質をもった持病があり、親としてはできるだけ軟着陸したい気持ちがあったのも事実。

 

慣れ親しんだ場所を離れること自体、ストレスは相当なものになるはず…心だけでなくて病気の制御も大丈夫か…そんなことが頭をよぎり、まずは日本人学校に体験入学してみることにしました。

 

4.体験入学と最終判断

さて、時期をみて、赴任地にお試し渡航し、たろうは日本人学校に1日体験入学しました。

 

お迎え時間に、少しだけ早めに行ったら、たろうの集中力がそこでプッツン。何も悪くないお友だちにつかみかかる事態に…普段、そんなことする人間じゃありません。

 

先生とお友だちに平謝りして、体験入学は終わりました。幸い、先生も十分に理解を示してくださったのですが、

「まずは心の安定」

と心を決め、たろうについては日本人学校への入学を決めたのでした。我が家の当時の状況からすると、英語をいかに身に着けさせるか、というのは完全に二の次でした。

 

このように、英語を二の次にしたので、生活が落ち着いてきてから、「せっかくオーストラリアにいるのに、英語に触れる時間が短すぎ!」と、別の課題に直面することに…。